2018年度 技術部研修


技術部全体技術研修
 
静岡大学技術部全体研修
平成30年度静岡大学技術部全体研修
 
周藤 美希(ものづくり・フィールド系 フィールド部門)
 
・日程:平成30年8月30日(木)14:00~15:30
・会場:静岡大学 静岡キャンパス 保健センター
         浜松キャンパス 総合研究棟10階会議室
・主催:技術部企画委員会
・講師:静岡大学保健センター  古橋裕子先生(静岡支援室長)、スタッフ2名
・参加者:静岡大学技術職員 静岡キャンパス15名 浜松キャンパス21名
・研修内容:メンタルヘルスに関する研修
     (メンタルヘルス対策、ストレス対策、睡眠のメカニズム等)

・研修感想
 今回の研修は、メンタルヘルスをテーマとし、保健センターの古橋裕子先生に講師を依頼して講義形式で実施した。メンタルヘルスの対策方法として、セルフケアやラインによるケアについて、睡眠障害の症状やその改善方法について学んだ。初期の段階で気付くことが早期発見につながり、自分だけでなく周囲が変化に気付くことが重要ということであった。そのためには、日頃から職場内でコミュニケーションをとることが大切であるとのことだった。研修の最後には、「ストレスを抱えた部下」という具体的な事例に対して、自分ならどう対応していくかという課題も行った。
 日々、業務を行っていく中で、ストレスを感じることは誰でもあると思う。今の自分の心身の状態はどうなのか、上司・部下・同僚と日頃からコミュニケーションを取れているかなど、改めて考える良い機会になった。より良い職場環境を築いていくために、この研修が自分自身を見つめ直すきっかけになればと思う。
また、今回の研修は遠隔講義システムを使って静岡と浜松の2会場で同時に開催した。移動時間などもかからず、参加はしやすかったように思える。ただ、講義に使うパワーポイントだけが画面に映し出され、ほぼ音声だけのやりとりになってしまったことは反省点であった。今後の研修に生かしていきたい。

mental_shizu静岡会場の様子 mental_hama浜松会場の様子

技術研修

 
   教育研究第一部門  機器分析部門  情報部門

 
教育研究第一部門
 

水滴の静的・動的接触角の実験装置開発と
電子物質科学科学生実験への導入の試み

 
中本 順子、芦澤雅人、増田健二
 
技術部 教育研究第一部門
 
実施日:平成30年9月26日(木) 9:00~16:00
実施場所:工学部3号館 学生実験室(120室)
参加者:上田 瑞恵,清水 ひかる,三宅 亜紀
研修内容:
 本学3年次の電子物質科学科の学生実験では、「接触角法による固体の表面張力の測定」を行っている。今回は、教材開発の一環として、従来の水滴の静的接触角に加えて、動的接触角が測定できる実験装置を試作した。研修内容を把握してもらうために、スタッフが作成した学生実験用テキスト(試作)を事前に研修参加者へ配布した。まず、試作した実験装置を用いて水滴の静的接触角の静止画を撮影した。次に、回転ステージを用いて試料台を傾斜させ、水滴の動的接触角の動画を撮影した。接触角は、ImageJ 解析ソフトを用い、参加者は実際に測定データの解析を行った。その結果を踏まえて、学生実験テキストの実験操作方法や解析方法の内容について検討した。また、カップリング剤の試薬濃度を変えて、ガラス基板改質も比較検討した。
 
研修成果:
 回転ステージとUSBマイクロスコープを組み合わせた動的接触角測定器を試作した(図1)。接触角は、ImageJ 解析ソフトを用い、ベジエ曲線で水滴の形にフィッティングさせる。図2に静的接触角、図3に動的接触角の解析例を示す。容易に正確に角度を求めることができた。
 試料基板として、カップリング剤で処理したガラス、未処理ガラス、ポリエチレン、テフロンの4種類を用い、静的・動的接触角の測定値からそれぞれの固体の表面張力を求めた。また、カップリング剤の濃度決定を行うことができた。動的接触角測定については、装置の傾斜角が30°から70°程度の範囲内に滑落角が納まるような液適量を、試料ごとに決定することができた。
 図4に研修風景を示す。液適の半径を求める方法をスタッフと研修参加者全員でアイデアを出しあい、その場で装置に改良を加えた。それにより容易に半径を測定できるようになったことは、実践的ですぐに役立つ大きな成果の一つである。研修参加者から非常に有意義であったとの感想をいただき、実り多き研修となった。
 

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図1 試作した動的接触角計

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図2 静的接触角の解析

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図3 動的接触角の解析

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図4 研修風景

 
機器分析部門
 

機器分析ワークフローの構築と利用促進に関する実施事例の共有

 
竹本裕之
技術部 機器分析部門
 
実施日:平成30年9月5日
実施会場:静岡大学理学部総合研究棟106室
参加者:8名

 
研修内容

 大型機器の共有や公開が全国的に進められており,各共同利用施設においては機器の利用促進とその支援方法を検討していく必要性が高まっている.機器分析部門ではそれらの機器の管理運用を担当しており,例えば本研修の代表者は,質量分析機器の試料調製からデータ解析までを通したワークフローの紹介,および資料のウェブ上での公開を進めている.今回の研修においては,参加者が動画教材の視聴から実機を使用した質量分析演習までを体験し,機器利用講習会の開催方法の一事例としてこれを共有した.さらに機器分析に関する知識の幅を広げるだけでなく,依頼測定の結果に対する信頼性向上のための現場での対策など,業務に関する情報交換を行うことができた.これらを機器分析に関する今後の支援に活かしていきたいと考えている.

 
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  ガスクロマトグラフ/飛行時間型質量分析計(日本電子 JMS-T100GCv) 研修の様子(測定演習の体験)
 
情報部門
 

Linux CentOS 7.0の操作方法からサーバ管理について

 
太田諭之
技術部 情報部門
 
実施日:平成30年8月29日(水)
実施場所:工学部1号館 312室-南 (情報部門居室)
配布物:研修資料(パワーポイント発表用資料,追加資料),参加者ID・パスワード情報用紙
研修参加者:3名+講師1名

 
研修内容

 本研修の目的は,OSの一つであるLinux(リナックス)においてサーバ用途に使用されているCentOS 7.0 (註:研修ではアップデート後のCentOS 7.5を使用した)のコマンド入力から簡単なサーバ管理,セキュリティ設定のノウハウを受講者に身につけてもらうことである.研修は座学と実習で構成され,座学ではCentOS 7.0のインストールから7.5へのアップデート手順,(セキュリティ)ログの抽出方法,主要なコマンド操作などを学んだ.実習では受講者に研修資料とユーザID・パスワード用紙を配布してCentOSの旧バージョン6.0と7.5のコマンドの違いやセキュリティ設定を実際に操作して体験してもらった.また,セキュリティ設定として公開鍵・秘密鍵認証を一人ずつ実機サーバで設定してもらい,全員設定が完了した.
 研修中は実際にサーバを業務で使用されている受講者や業務の一環としてCentOSサーバを使用されている受講者の方と有意義な情報交換をすることができた.具体的な内容として,CentOS 6から7へユーザ・パスワードを移行する方法,CentOSにおいてのウィルス対策ソフトの使用について,仮想マシンの使用 等について議論を行った.
 研修終了後,アンケートを実施した.一部を抜粋する.-本研修で特に印象に残った点-「公開鍵・秘密鍵の設定について」,「皆様とサーバについてディスカッションできたこと」などのご意見を頂きました.ありがとうございました.
 CentOS 7.5の実際の体験と今後の使用のための一助となった研修となった.

 
CentOS7-1図1:本研修の様子(座学) CentOS7-2図2:実際にサーバを操作している実習の様子